

黒松内町は人口よりも牛が多い、後志随一の酪農王国です。乳牛を中心に、肉用牛、豚を飼育するほか、馬鈴しょをはじめとする畑作、もち米を生産する稲作が行われています。
見渡すかぎり青い空と緑の大地が広がる、牧歌的な美しい風景。鮎のすむ朱太川を水源にする清涼な水。さわやかな気候。そして森からの贈り物である澄んだ空気。
黒松内のおいしい牛乳や野菜は、この恵まれた環境の中ではぐくまれた、まさに大自然の恵みといえるでしょう。

黒松内町で農業にたずさわる人々は、その豊かな自然の優しさをかみしめながら、いきいきと暮らしています。
すばらしい自然環境を守り続けることも農業の役割だと考えて、低農薬や有機栽培、良質の堆肥による土づくりなど、クリーン農業に意欲的に取り組んでいます。
そして、農村を健康づくりやレクリエーション、子供たちの教育の場として活用していく方法も考えています。
都会では体験できない自然とのコミュニケーションが農村には広がっているからです。

まち最大のイベント「新・ビーフ天国」には、農村ならではの心温まる交流を求めて、全国から大勢の人々が、ここ黒松内町に詰めかけます。
照りつける太陽の下、さわやかな天然芝の野球場で豪快に味わう黒松内産牛のバーベキューと町民手づくりのアトラクションは、訪れた人たちの心も体も元気にしてくれます。
この「新・ビーフ天国」をはじめ、四季折々のブナ林を散策するブナ・ウォッチングや多彩なコースで楽しめるフットパスなど、まちで開催される様々なイベントを楽しみに全国から年間15万人が黒松内町を訪れています。
こうしたイベントをきっかけに黒松内ファンが増え、何度もまちに足を運んでくれるリピーターも多くなり「交流」を通じた郷土愛も町民の間に育っています。

私たちが考える21世紀の黒松内町、それは、まち全体が緑豊かで気持ちのいい自然公園です。
とんがり屋根の農家民宿が、緑にとけ込むように建ち、週末には、家族連れや学生のグループがファームインに訪れるのです。釣りやバードウォッチングなど、みんなが自由に休暇をエンジョイしています。
とりたての野菜を売る直売所があります。子供たちが乳搾りやじゃがいもの収穫を手伝って、歓声をあげています。農業に夢を持って移り住んでくる若者もいます。
憧れのカントリーライフが黒松内町で実現するのです。

黒松内町の近い未来には、なつかしさと快適さが同居した新しいユートピアがあります。まちのいたるところに、心やすらぐ風景があふれていることでしょう。ふるさとを知らない子供たちが、たくさんの思い出をはぐくむことのできる田舎となるように…。
黒松内町の夢はどんどんふくらみ、そして少しづつ現実に向かっています。
![[ブナ北限の里づくり]構想](img/kuromatsunai_ph_06.jpg)
黒松内町の歌才ブナ林は、ブナの自生する北限の地として、国の天然記念物に指定されています。
しかし、そのブナ林でさえ、過去幾度となく開拓や伐採の話が持ち込まれました。そのたびにブナ林を保存しようとする町民の運動によって、危機を乗り越えてきてのです。
1987年から取り組んでいる「ブナ北限の里づくり構想」は、こうした先人たちの志を受け継いだ町民の自主的な提案からスタートしました。
長期的な視野にたち、自然と対話しながら手づくりで進めてきたものです。
自然豊かな土地だからこそ、自然と調和して暮らす喜びを感じられるように。その喜びを都会の人々にも伝えていけるように。
このような町民の願いは、「歌才自然の家」「ブナセンター」「黒松内温泉ぶなの森」「道の駅くろまつない」などの施設を通して、そして黒松内町オリジナルのチーズやハムの味覚を通して、着々と実を結び始めています。
『黒松内』という名称は、アイヌ語の「クル・マツ・ナイ」(和人の女のいる沢)に由来したものです。かつて出稼ぎの漁夫を慕ってきた女性たちの船がシケで難破し、そのままこの地に滞留したと伝えられています。

木の中に入り込んだ虫をとらえて、木が枯れるのを防ぐクマゲラ。森のお医者さんと呼ばれるクマゲラと、町木であるブナをデザインしました。
1990年制定。